○議長(
大橋基之議長) 市長。
◎市長(並河健) 目標達成の評価についてということでありますが、本市では市・県・国また
交通事業者・市民の皆さんなどの
公共交通にかかわる関係者で天理市
地域公共交通活性化協議会を組織しておりまして、こちらを年数回開催する中で、御指摘のとおり
PDCAサイクルの考え方に基づく評価を実施し、
社会情勢や外生的な要因も含めて今後の
事業見直しや改善に向けて皆さんで協議をしていくということであります。
○議長(
大橋基之議長)
仲西議員。
◆十七番(
仲西敏議員) 結構かと思います。その辺しっかりとまた取り組んでいただきたいなと思います。 次に移ります。
先進地事例でございます。私も
同僚議員と
全国いろいろ視察に回らせていただいております。いろんな形で情報は入手できます。何点かご紹介をしたいと思います。 一つは兵庫県豊岡市です。これは中山間地で本市と同じような状況で、多様な
公共交通を本当にうまく全体最適化されている。そこには全但バスという民間の、
奈良交通に当たる事業者ですけども、これは
幹線系統。そこにイナカーという
市営バスがあるんです。これが
幹線系統をサポートする路線、これは
フィーダー線という支線でございまして、そこにコバスという
循環コミュニティバスが何系統か走っておりまして、大人の運賃が百円、使用車両が二両とかいうようなことで、本市のコミバスとよく似ておるんですけども、そこにチクタクという
デマンド型の
自家用有償運送をされておりまして、非常にきめの細かい、その地域の特性に合った全体最適化をきちっとされておるという、こういうふうな自治体がございます。その辺も私はもっとじっくりと調査する必要もあろうかなと思いまして、また今ちょっと調べておるところでございます。 もう一つは、前橋市でおもしろい、ユニークなバスで。昼間は割と通勤、通学で使わない時間帯、あるじゃないですか。空気運んでんのかと批判されているような部分でもあるんですけども、自転車を載せるんです。十台ぐらいは載せられるようなスペースがあるんです。非常にこれ、観光にもいいですよね。自転車、行動範囲広いじゃないですか。せやから、そこへ観光へ行く、たとえばこちらやったら、
トレイルセンター、柳本へ行くのに、あそこへ自転車で行くのはなかなか大変ですわね、元気な人は大丈夫ですけど。それをバスであの周辺、柳本の駅まで運んでもらったら、そこから自転車で快適に天理駅まで帰ってこれる。こういうようなことが前橋市では全国最初に行われたんです。女性、夜間、防犯で自転車で危ないというふうな、これもやっぱり防犯対策上も非常に効果があるというようなこともありまして、これも紹介しておきます。バスに自転車を積載して、コミバスに積めるかどうか私は知りませんけど、その辺は有効活用でおもしろい
取り組みかなと。もう一つは、やはり事業者は利益が出ないとこういうところへ事業を展開しませんわね。だから、そこに公共が全て入っていったら、全部市のコストが増える。その辺どうしたらええねん。「支え合う
マチ天理」という市長のキャッチフレーズを取り上げれば、やはり互助的な、有償で、隣近所で、保険も含めて
有償契約をしながら、ある程度ただではいきませんよ、
ガソリン代なんか要るわけやから。だからそこら辺も含めて地域で支え合うような
有償契約の特区であるんかな、そういう地域もございます。そういう住民の協力を含む関係者の連携で、多くの自治体で
地域住民による
自主運行バスとか
有償ボランティア輸送とかいう、舞鶴市とか徳島県、また青森県等々でいろんな
取り組みもなさっておられます。また、広域の部分でも本市は、私、絶えず提案しとるんですけど、大和郡山市と連携できたらなかなかもっと、JR郡山駅とつながったら非常に、利用する人も格段に増えるんと違うかなというふうに私は思いますけども、こういうふうなことでるる一応紹介しておきますけども、その辺、
先進地活性化事例について、市長、ご見解をお聞きをしたいなと思います。
○議長(
大橋基之議長) 市長。
◎市長(並河健) さまざまな先進地の事例をご紹介いただきまして、誠にありがとうございます。本市においてもやはり市民の高齢化や
免許返納により、特に買い物や通院等、こういったことでご不便をおかけすることがないように、さまざま
取り組みを考えていかなければならない。いまご紹介いただいたように、貨客の混載でありましたり、自転車の積載、また自動運転の実証実験でありましたり、そういった互助のシステム、これらを既存の法規制との整合性というのも図りながら、それぞれ、今の地域の特性に応じて日本国中で
取り組みが行われているところでありまして、私どももそういった先進事例を参考にしながら、本市ではどういった形が適用できるのか。あるいは買い物については、人が移動するだけでなく、いま移動販売の充実というようなことも行っておりますので、そういった施策の組み合わせの中で、市民の皆様が住みなれた地域で安心してお暮らしいただける
まちづくりに努めていきたいと思います。
○議長(
大橋基之議長)
仲西議員。
◆十七番(
仲西敏議員) 全庁一丸となって、やっぱり知恵を出し合って取り組んでいただきたいと思います。 最後の項目でございます。今後に向けてというところに入りますが、二点ございまして、最初は、これも法を受けての
取り組みでございまして、先ほど触れました
網形成計画、これはあくまでもマスタープラン、大きな計画の、要は基本の部分でございます。これを具体的に本市もやってるし、いろんな事業者もいっぱい
公共交通にかかわって、実際に事業をなさっている。
網形成計画を受けて、具体的に本市の
公共交通ネットワークに再編実施計画をどう策定するのか、これが国の政策の狙いでございまして、これは地方公共団体が作成して国土交通省の大臣認定がございます。メリットとしては何点かございますけども、これも今後に向けてということでございますけども、市長、その辺のお考え、お聞きをしたいと思います。
○議長(
大橋基之議長) 市長。
◎市長(並河健) 本市においては名阪側道や、あるいは今後、北大路線の開通等、新しい道路アクセスの向上も予定されているところでありまして、この
網形成計画をマスタープランとしながら、市全体の
まちづくりと整合性のとれた面的な整備を目指していきたいというふうに考えております。先ほど申し上げました天理市
公共交通活性化協議会の中で検討していく上で、今後過疎化や高齢化が進む地域においては、
地域住民が相互扶助の精神を持って
公共交通を形づくり、その中で行政も汗をかいていくといった協働の形も検討しながら、よりきめ細かい
公共交通網の再編に取り組んでいきたいと考えております。
○議長(
大橋基之議長)
仲西議員。
◆十七番(
仲西敏議員) その辺もきっちりした
取り組みをお願いしたいと思います。 最後になりますけども、本市における望ましい
公共交通ネットワークのあり方の部分でございます。私、思いますのは、
公共交通というのは車・バス・電車だけじゃなくて、やっぱり歩行者、自転車も含めた全ての市民、来訪者、来街者が移動する条件整備も含めた総合的な施策というものがありきかなと。それの全体最適化はどのように進めていくのかなと。
網形成計画もあってのことでございますけども、一度その辺の大きい懐の中で本市の将来像について、このモビリティマネジメントも含めまして、私は歩行者、自転車の利用環境、これも
同僚議員と、これは金沢市でございますけども、視察に行かせていただきました。道路をつくるんじゃなしに道路を利用するんですね。安全対策、カラー化も含めてそんなにもお金もかからないと言われていました。自転車をもっともっと利用できるような環境づくりというのは、僕、一つのポイントかなと。だから市民の健康増進にも役立つし、僕はほんまに移動だけじゃなしに、立ちどまって買い物もできるし、いろんなことが、そこに人と人とコミュニケーションもできるじゃないですか。自転車の利用環境を改善するというのは、僕、非常に大きなメリットがあるんじゃないかと、そのように考えます。自転車だけにとどまりませんけれども、そういう意味での本市における望ましい
公共交通ネットワーク、歩行者、自転車も含めまして、その辺の全体最適化について市長のお考えをお聞きしたいと思います。
○議長(
大橋基之議長) 市長。
◎市長(並河健)
公共交通ネットワークを考えていく中で、徒歩であったりあるいは自転車ということも含めて考えるというのは、議員御指摘のとおり非常に大事だと思っております。それは
日常生活の上でもそうでありますし、また
周遊観光の促進の上でもそうであります。 例えて言えば、四月にオープンしますJR柳本駅は、歩行者の方がこれまで西側から奈良方面に行く際に跨線橋を渡らなければならなかった。これが、西側に改札口ができるということで、バリアフリーの点でも大いにプラスでありますし、また、山の辺の道に通じていく重要なルートであり、田原本の唐古・鍵の方にも自転車であれば行くことができるという立地、場所であります。そういった視点を持って、こちらは今整備をしております。 また、天理駅から長柄運動公園まで自転車道を整備いたしましたが、こちらもリニューアルした長柄運動公園での健康づくりと自転車での移動というものを組み合わせたものでありますし、また、いま県のサイクルロード「ならクル」とも連携しながら、明日香と奈良、吉野、こういったところを結ぶ中継地点として天理を位置付けるということもやっております。 道路のカラー化については、今私もタウンミーティングなどを行う中で、安全対策で御要望があったところから着手をしているところでありますし、また、徒歩の
周遊観光というのでは、トレッキング、ノルディックウォーク、こういったところにも重視をしているところでありまして、また私どもも
公共交通の中でしっかりと自転車も位置付けて考えていきたいと思います。
○議長(
大橋基之議長)
仲西議員。
◆十七番(
仲西敏議員) しっかりと
取り組みをお願いしたいと思います。 以上で質問を終わりますが、御答弁いただきました項目内容につきましては、検討等も含め今後確実に取り組んでいただきますようお願い申し上げまして、降壇をいたします。ありがとうございました。
○議長(
大橋基之議長) 次に、十四番、
荻原文明議員。 〔十四番
荻原文明議員 登壇〕
◆十四番(
荻原文明議員) それでは、市長並びに関係各位にお尋ねをいたします。一括質問方式で質問いたします。 まず、国民健康保険制度についてお尋ねいたします。二〇一八年十月末現在で国保加入世帯数九千七十八世帯、被保険者数一万五千三百十一人です。そのうち、資格証明書発行は一世帯、三カ月及び六カ月の短期保険証は一千三十八世帯、約一一・四%、滞納世帯数は一千六十三世帯、約一一・七%となっています。現に、国保加入被保険者の滞納数は八百四十一世帯、九・三%です。約一割の世帯が滞納している現状は、他の保険制度と比べて加入世帯の所得が低いこととあわせて、保険料負担が収入の約一〇%から二〇%にもなり、しかも、法定減免制度があっても、所得の低い人ほど保険料負担率が高いという逆進性があるということです。したがって、保険料負担が被保険者である市民の負担能力を超えています。 原因の一つは均等割、平等割という保険料算定にあります。均等割は人頭税ではないかと言われて、人間の数に応じて課税されるもので、古代から封建社会に実施された税制で、最も原始的で過酷な税制とされています。低所得者や家族が多い世帯に保険料が重い負担となっている最大の制度的要因があります。しかも、税と違って各種控除がありません。逆進的な負担をなくし、所得に応じた保険料にすることが求められています。 もう一つは、国民皆保険と言われています。保険制度に加入しているだけが皆保険ではありません。いつでもどこでも、誰もが経済的不安なく最高の医療を受けることができる体制を国民皆保険制度と言えます。国が社会保障としての国保制度維持に基本的な責任を持たなければならないのに財政的負担割合を低く低くしてきたことに、被保険者の負担が増える基本的要因があります。現在の保険料は市民の負担能力を超えています。これについて、どのように認識されているのかお尋ねいたします。 こうした中で、負担能力に応じた保険料負担とするために、保険料の引き下げと、低所得者の保険料と医療費一部負担金の減免制度の条件緩和により、実効性のある減免制度に見直すことが求められています。これについてもお考えをお尋ねいたします。 次に、均等割廃止が必要です。地方団体からも「子育て支援に逆行する」と言われている子どもの均等割は廃止することが求められています。子どもの均等割減免を実施することについて、どのようにお考えかお尋ねいたします。 次に、県単位化により、保険料の引き上げが予定されています。奈良県に提出した保険料方針では、平成三十年度二・八%、平成三十一年度二・八%、平成三十二年度二・八%それぞれ引き上げて、奈良県の保険料水準に合わせるとしています。 そこで、県の保険料水準とは何でしょうか。どのように計算しているのでしょうか。天理市に示された保険料水準とはどのくらいで、奈良県の保険料水準では天理市の保険料の額はいくらになるでしょうか。お聞きをいたします。また、奈良県は二〇二四年度で保険料水準に合わせると言っています。天理市は二〇二〇年度で保険料水準に前倒して合わせることとしています。せめて、他の市町村がやっているように、負担緩和のために三年を六年に負担を平準化することが求められています。これについての見解をお尋ねいたします。 次に、天理市子ども子育て支援事業計画の実施について、特に実費徴収補足給付の実施についてお尋ねいたします。子ども子育て支援法の規定に基づく実費徴収補足給付については、天理市子ども子育て支援事業計画では、今後新たな制度を運用する中で適切に検討するとしています。低所得で生計が困難である者の子どもが特定教育・保育等の提供を受けた場合の給食費、日用品、文具等の購入費、行事への参加費用などへの補助を行うことで、全ての子どもの健やかな成長を支援することを目的として行われるものです。実費徴収補足給付の実施が必要であると思われますが、検討状況をお聞かせいただきたいと思います。 次に、無料低額診療の実施についてお尋ねします。天理市立メディカルセンターにおける無料低額診療の実施が必要となっていますが、これについての見解をお尋ねいたします。 メディカルセンターについては、入院がなくなり、指定監理者による運営になったとしても、公立病院としての地域医療、救急医療や災害時医療などの不採算医療を担う役割は変わりません。保険、医療、福祉、介護の連携・協働による
地域住民の命と健康を守る役割を担っています。無料低額診療は、生計困難者が経済的な理由により必要な医療を受ける機会を制限されることのないよう、無料または低額な料金で診療を行うものです。社会福祉法第二条第三項第九号は、「生計困難者のために、無料又は低額な料金で診療を行う事業」と定めています。天理市メディカルセンターで実施することについて、どのようにお考えかお尋ねいたします。 次に、国連「家族農業の10年」が呼びかけている、二〇一九年から二〇二八年を国連「家族農業の10年」として定め、加盟国及び
関係機関などに対し食料安全保障確保と貧困・飢餓撲滅に大きな役割を果たしている家族農業に係る施策の推進、知見の共有等を求めています。この立場に立って、家族農業、小規模農業を重視した農業施策を進めることについて、これを天理市としての基本的立場にすることについての、まず見解をお尋ねいたします。 天理市農業振興地域整備計画書では、「農業を主業とする農業者の年間農業所得主たる農業者一人当たり概ね二百五十万円程度、年間労働時間主たる従業者一人当たり二千時間程度の水準を実現できるものとし、これらの経営体が本市農業生産の相当部分を担う農業構造を確立していくことを目指す。そのために認定農業者への土地利用集積、集落営農の組織化法人化、女性農業者の参加協力、安定経営の農家と小規模兼業農家の役割分担を明確にし、コミュニティの維持を図る」などと全体の方向性を記しています。 こうした中で、農業経営の基盤である国連「家族農業の10年」が呼びかけている家族農業を基礎とした農業をどのように守り、維持・発展させるかについてお尋ねいたします。 まず第一に、経営コストの削減と農業技術の維持、地域社会を守るために、農業機械及び農作業の共同化を地域の条件にあわせて進めることが必要です。次に、価格保障と所得補償制度を組み合わせて生産コストをカバーする施策を行い、家族経営が持続できる条件を整備拡充することが必要です。次に、健康づくり計画てんりに基づく、地産地消をさらに促進する。個人の消費をどのようにして増やすか。この具体的な施策を講じることが必要となっています。これらについてお考えをお尋ねいたします。 次に、天理市第三次障がい者福祉基本計画における防犯防災対策についてお尋ねをいたします。地域内の他の社会福祉施設・医療機関等との広域的な
ネットワークの形成及び福祉避難所の整備促進などについて記述をされております。基本計画の基本方針では、概略で「災害発生後にも継続して福祉医療サービスを提供することができるよう災害対策の推進を図るとともに、地域内外の他の社会福祉施設医療機関等との広域的な
ネットワークの形成に取り組む」「福祉避難所の整備の促進を図る」とされております。基本方針ですから、概略で書かれているとは思います。計画推進のために計画検証委員会を設置し、年次ごとに審議すると、その進捗にあわせた具体的な
取り組みをどうするかについて検討するということとされております。 こうした計画の中で、本市の場合は、福祉避難所として十カ所が指定されています。これは、学校、幼稚園、公民館がほとんどで、福祉避難所としてどの程度機能するのか、要支援者が避難生活を送る上で、開設、運営についてさまざまな課題が……。
○議長(
大橋基之議長) 少しの間、休憩いたします。 午後一時五十分 休憩 午後二時十分 再開
○議長(
大橋基之議長) 休憩前に引き続き会議をいたします。 先ほどの地震ですが、和歌山県の紀伊水道の方が震源地のようで、マグニチュード五・二の地震がございました。奈良県でも南部の方が震度三の地震がありましたが、天理市は震度二というようなことで、今現在では被害等の連絡はございませんので、このまま
一般質問を続けさせていただきます。 それでは、引き続き、
一般質問を行います。 荻原議員。
◆十四番(
荻原文明議員) それでは、最後の質問、天理市第三次障がい者福祉基本計画における防犯防災対策についてお尋ねいたします。 要支援者が避難生活を送る上で、開設、運営についてさまざまな課題を明らかにし、対応を検討しなければなりません。そのためには、一人ひとりの生活状況に応じた支援が必要になってきます。福祉、医療、介護等の専門的な立場からの検討が不可欠です。 一般避難所で要支援者を受け入れることが可能なのかどうか。福祉避難所として、福祉施設として指定したとしても、対象者をどのように想定し、そのニーズに対応していくためにはどれくらいの人数を受け入れることができるのか。ユニバーサルデザインへの配慮がなされているのか。配慮が必要な人の尊厳を尊重できる体制が整備されているのかどうか。福祉避難所自身が被災している可能性があることなど、こうした
取り組みがあった上で福祉避難所の指定を行う必要があります。くり返しになりますが、最終的に地域防災計画で福祉避難所を指定することになりますが、指定に至るまでの開設、運営の福祉、医療、介護等の専門的な立場からの検討が最も重要であり、こうした立場から障がい者福祉基本計画に記載されています。そして、地域内外の他の社会福祉施設・医療機関等との広域的な
ネットワークの形成とは何か、どのように形成されようとしているのか、お尋ねいたします。 福祉避難所の整備、促進については、福祉、医療、介護等のそれぞれの現状を把握している担当部長から専門的な立場で、早急に着手することが必要で、このことについてどのようにお考えかお尋ねいたします。
○議長(
大橋基之議長) 市長。 〔市長 並河 健 登壇〕
◎市長(並河健) ただいまの荻原議員の御質問でありますが、若干多岐にわたっておりますので、国民健康保険制度に関しましては
くらし文化部長から、そして残りの御質問については私の方からお答えをさせていただきます。 まず、天理市子ども子育て支援事業計画の実施についてというところでありますが、これは第一次の計画、平成二十七年に策定したもので、こちらで適切に検討するということでしております。この計画が実施されました平成二十七年度以降の平成二十八年、平成二十九年において、保育所等における利用者負担の最たるものである保育料につき、低所得層やひとり親世帯を対象にした軽減制度が拡充されてきました。また、今年の十月からは幼児教育の無償化も予定をされているところであります。 本市としては、幼児教育の無償化をまず円滑に実施するなど、これまで同様、子育て世帯に対するサポートの充実を図っていきます。こうした趣旨のもと、たとえば、無償化後の給食食材費につきましては、国の動向も見ながら、一定の低所得者層やひとり親に対する何らかの負担軽減措置は検討をしているところであります。 続きまして、無料低額診療の実施についてということでありますが、社会福祉法の第二条第三項に規定をしております、生活困窮者に対して無料又は低額な料金で診療を行う、こちら、奈良県内の実施医療機関は、平成三十年九月一日現在で二十五施設であります。天理市内では、公益財団法人の天理よろづ相談所病院の一施設となっております。この無料低額診療事業を実施するには、生活保護を受けていらっしゃる患者と、全部または一部を減免された患者が全患者の一割以上といった基準がございます。また、医療上・生活上の相談に応ずるために医療ソーシャルワーカーを置くこと、そして、生活困窮者を対象として、定期的に無料の健康相談、保健教育等を行うことなどいくつかの条件が義務付けられております。 平成二十九年度の天理市立メディカルセンターの全患者が二万五千二百八十九名で、うち生活保護受給者の割合が二%未満にとどまっておりまして、また、医療ソーシャルワーカーを雇用していないため、現状においては、メディカルセンターにおける無料低額診療事業は難しい状況であります。メディカルセンターは、平成二十六年四月より社会医療法人高清会が指定管理者として運営しており、当初の事業計画の中に無料低額診療事業の実施が含まれていないという点も考慮しなければならないわけでありますけれども、今後とも診療に当たっては、患者の経済状況にかかわらず安心して受診をしていただけるよう、こちらの点は我々としても心がけていきたいと考えております。 続きまして、家族農業という論点でありますが、二〇一五年の農林業センサスによりますと、本市の農業経営体が一千百五十四の中で、内訳が、家族経営体が一千百五十を占めております。また、組織経営体が四・一ヘクタール未満の経営規模のものが八百五十二という構成になっておりまして、すなわち本市の農業は世界の農業形態と同様に小規模な家族農業で支えられているということであります。一方で、家族農業を中心としております本市においても、農業の担い手の高齢化や減少、これまでの農業産出額や農村集落の景観保全といった多面的機能を維持することがなかなか困難になってきている現状がございます。 国連が「家族農業の10年」で呼びかけております家族農業に係る施策の推進は、本市の農業の実態にも沿ったものと考えております。引き続いて家族農業を主体としつつ、国の施策を活用しながら、農地の集約や集積化、担い手の育成・確保等に向けた
取り組みを進めていきたいと考えております。 議員御指摘のとおり、地域の状況にあわせてということは非常に重要でありますが、本市では国の経営体育成支援事業を活用し、農業を継続し規模を拡大して地域の中心となる経営体や集落営農組織に対し、トラクターやコンバイン、ビニールハウス資材等の農業用機械・施設の導入に対する支援を行っております。また、農地中間管理機構を通じた農地の集積・集約化の支援を行うなど経営基盤の充実に取り組んでおります。 また、農業機械や農作業の共同化を行っている市内の集落営農組織が横での連携を強め、地域農業の発展を図るために、一昨年の十月に天理市集落営農組織等連絡協議会が発足をいたしました。地域協議会など幅広く農業にかかわる組織や集落活性化を考えていらっしゃる皆様にもオブザーバーとして会議に参加いただくことで、集落営農組織の増加、また組織間の交流により地域農業の活性化を共に目指してまいります。 さらに、国の経営所得安定対策事業を活用し、小麦や大豆といった米以外の作物に、販売目的に作付した場合に支援を行っておりまして、主要な農産物のイチゴ、トマト、ナス、ホウレンソウについては市からも支援を行っております。また、農業各種団体への補助、農村の集落の多面的機能を維持していくための補助や吉野川分水の受益地への補助も行っております。 地域でいきいきと安心してお暮らしいただく上で、食の安全・安心への確保、また地産地消の
取り組みは非常に重要であります。地域で大切に育てられている野菜などを小規模農家でも出品しやすいコフフンマルシェを開催しているほか、柳本マルシェ、蔵之庄トラックマルシェや山田農産物直売所「みちくさ」など、地域主体の
取り組みも今芽生えております。このような中、二〇二一年度には重点道の駅に指定された「なら
歴史芸術文化村」内に直売所が開設されます。そして、市内各地に広がりを見せる、多世代が集う子ども食堂では、市内の農家から提供いただいた食材をふんだんに活用し、ボランティアの皆様が調理・配膳されたお料理を一緒に召し上がっております。笑顔で食卓を囲んだ後、子どもたちに将棋や囲碁、折り紙を教えるなど多世代交流の機会にもなっております。今後も本市の農業が家族農業を主体としつつ、国の施策も活用しながら、持続可能な農業になるように取り組んでいきたいと考えております。 そして、第三次障がい者福祉基本計画における防犯防災対策ということでありますけれども、内容としては、「災害発生後においても継続して福祉、医療サービスを提供することができるよう、障害者支援施設・医療機関等における災害対策の推進を図るとともに、地域内外の他の社会福祉施設・医療機関等との広域的な
ネットワークの形成に取り組む」としております。 具体的な
取り組みとしては、先ほど議員からも御指摘ございましたが、九小学校区ごとに一カ所をめどに、基本的にはバリアフリーや和室を備えてある公立施設を福祉避難所として十カ所設けておりますけれども、福祉避難所と指定避難所が同じ施設であることや、専門的知識を有する職員配置などの課題もございます。今年度、市内の特別養護老人ホームなど民間事業所を訪問いたしまして、配慮が必要な方の避難支援についての連携強化に向けた協議を重ねているところであります。 また、平成三十一年二月、市保健センターにて、災害発生時の医療班として天理地区医師会と災害時の救護本部立ち上げ訓練を実施いたしました。本訓練では、人的被害、建物被害、道路被害等さまざまな情報が氾濫する中で、情報を整理・可視化し、共有しながら行動を進めていくという点で非常に有意義だったと考えております。今後なお一層内容を深めていきたいと考えております。 また、災害発生時には、天理地区医師会、山辺天理歯科医師会、天理市
薬剤師会の連絡網、奈良県広域災害・救急医療情報システムや災害時の医療情報をインターネット上で共有、集約して提供する広域災害救急医療情報システムなどで広域的に医療情報の収集、共有を行ってまいります。今後、平常時から災害時の医療継続ができるように
ネットワークづくりに取り組んでいきたいと考えております。 天理市第三次障がい者福祉基本計画は本年度が計画の初年度でありまして、来年度に学識経験者や障害者団体等の代表から成る計画検証委員会、仮称でありますけども、こちらを設置し、年度ごとに計画の進捗状況について協議をしていくこととしております。その中で、災害時における障害者支援についても総合的に調整を図っていきたいと考えます。
○議長(
大橋基之議長)
くらし文化部長。
◎
くらし文化部長(城内薫) 国民健康保険制度について、荻原議員の御質問にお答えいたします。 まず、一点目の国民健康保険料の市民の負担能力についてお答えいたします。国民健康保険料は、前年中の所得に対して賦課されます。所得の低い世帯で一定の要件に当てはまる世帯については、均等割・平等割に対して七割・五割・二割軽減を行い、保険料が抑えられているところです。 次に、保険料引き下げについてお答えいたします。国民健康保険の保険料は持続可能な医療保険制度を構築するための重要な財源であります。また、保険給付は全国共通の制度でもあります。これに基づき、奈良県では、平成三十年度からの国民健康保険の都道府県化に伴い、平成三十六年度には同じ所得・世帯構成であれば、県内のどこに住んでいても保険料水準が同じとなることを目指して保険料負担の公平化を図ることとしています。 平成二十九年度に県が示した被保険者の一人当たりの平均保険料を段階的に合わすことと、奈良県国民健康保険運営方針並びに保険料方針策定要綱に示されており、本市独自に保険料を引き下げることはできないものと考えています。しかしながら、市としましても保険給付に係る国の定率負担の引き上げがなされると、保険給付費に係る交付金が増え、保険料の負担減が見込まれることから、近畿市長会や近畿都市国民健康保険者協議会を通じ、定率負担の引き上げを国等に要望しているところでございます。 次に、減免制度の拡充等についてお答えいたします。減免制度には国で定める特別な事情による減免と市が独自に定める減免があります。本市では、国で定める非自発的解雇等による減免と市で定める条例減免により行っているところです。条例減免の判定基準や減免割合については、市独自の基準・割合で行っております。市独自の減免制度を拡充した場合は、県への納付金及び保険料にかかわることもあり、いま以上の拡充は難しいと考えています。 次に、均等割見直しについてですが、議員も御承知かと思いますが、医療保険制度間の公平と今後の医療費に増嵩に耐え得る財政基盤の確立を図り、子どもに係る均等割保険料軽減措置の導入と国の定率負担の引き上げ等財政支援の方策を講じるため、全国知事会や全国市長会から子どもの均等割についての国への見直し要望を行っています。 また、本市を含めた近畿圏内で構成する近畿都市国民健康保険者協議会において、子どもに係る均等割保険料を軽減し、軽減したものに見合う財源を国が公費負担する旨の要望書を決議し、国や各政党等に陳情しているところです。仮に市独自で子どもに係る均等割の免除を実施した場合は、約六千四百万円の保険料減となることから、減少した保険料を補うため、かえって被保険者への負担が増えることにつながります。 続きまして、県単位化に伴う保険料引き上げの根拠と引き上げの平準化についてお答えいたします。県単位化に伴う保険料引き上げの根拠につきましては、先ほど述べさせていただいた奈良県国民健康保険運営方針並びに保険料方針策定要綱に明記されており、平成三十六年度には同じ所得・世帯構成であれば、県内のどこに住んでいても保険料水準が同じとなる保険料率の県内統一化を県が目指しています。 県から示された平成三十六年度の一人当たりの平均保険料は十万四千五百七十九円で、基準となる平成二十九年度の一人当たりの平均保険料は九万六千二百四十七円であり、八千三百三十二円の増額となっています。これは、高齢化に伴う医療費増分を見込んだものであります。この算定により、平成三十二年度までの三年間で引き上げた場合の毎年の増額分が二・八%となり、県の保険料方針策定要綱において、平均引き上げ額が三%未満である場合は保険料水準を平成三十二年度までに引き上げることと定められています。本市といたしましても、県の方向性に沿って一度に保険料率を引き上げるのではなく、市民の皆様にできるだけ無理のない範囲で計画的・段階的に保険料水準を毎年見直しているところでございます。
○議長(
大橋基之議長) 荻原議員。
◆十四番(
荻原文明議員) まず、国民健康保険のことについてさらにお尋ねしたいと思います。 ちょっと順不同になるんですが、保険料方針の問題なんですが、天理市は平成三十二年度までに、奈良県は平成三十六年度で県の保険料水準に合わせるという方針を出してるんですが、天理市は前倒しで、平成三十二年度で県の水準に合わせるという方針を出しているんです。奈良県内のほかの市町村を見ても、平成三十二年度で合わせる自治体もいくつかあるんですが、そういう自治体でも間一年あけて隔年で引き上げるとかしています。天理市と御所市だけがこの三年間で、御所市の場合は平成三十年度で五・五%、一度に引き上げております。天理市が三年間で二・八%ずつ引き上げるという、この二つだけで、あとは隔年にするか、七年間で上げ率を均等に割って引き上げているところなんですよね。先ほど三・五%というふうな基準をおっしゃいましたが、桜井市の場合は平成三十年が一%で、平成三十三年が二・六%、平成三十八年で二・六%というふうに、桜井市の場合でも間二年間あけて保険料の引き上げを図って、最終平成三十八年度で合わせるというふうにしているんですよね。ですから、ほかの市町村についても一年間あけるとか二年間あけるとかにして、最終平成三十八年度で合わせるというふうにしておりますから、その上げ方についても、本市のように前倒しで三年間で上げているところというのは御所市と天理市だけなんですよね。これを、平成三十八年度で合わせるというふうに平準化すれば、市民負担も緩和されるのではないかというふうに思いますので、これは桜井市でやってるように、やろうと思えばできるというふうに思いますので、改めて御検討をしていただいて、引き上げの平準化をしていただきたいというふうに思います。 それと、市民の負担能力の問題なんですが、要するに市民の収入に対して保険料の負担が重くなっているのかどうかということなんですよ。負担限度を超えているのかどうかという認識があるのかどうかということをお尋ねしているのであって、制度の説明をしていただいてもあまり答えにはなっていないというふうに思うんですね。滞納世帯が一割前後というのは、やっぱり保険料の負担が重いからにほかならないわけで、これは全国的にもそういうふうな傾向にあるわけです。いろいろその理由については先ほども述べましたからくり返しませんが、やっぱり限度を超えているのかどうか、限度を超えているという認識があるのかどうかということが国保制度運用の基本になると思いますので、「いや、まだまだ市民の負担をする能力があるんだ」という設定なのかどうか、その点、改めてお尋ねをいたします。 それから次に、保育所の保育料の実費徴収の補足給付については、先ほど、無償化の後、給食費等についてを所得の低い方については減免制度も検討しているというふうに言われたんですが、その他については、所得の低い人にとっては現在の保育料より高い給食費を支払わなければならなくなる可能性があるということで、そういう軽減措置を図るということなんですが、他の実費徴収についても同じことが言えるわけですから、その点について改めて実費徴収、法律で認められた制度でありますから、改めて実施について検討する必要があるというふうに思うんですが、その点についてまた御答弁をお願いいたします。 次に、国連「家族農業の10年」についてでございますが、農業施策については、国の補助がらみの施策が多くて、市町村独自の施策を行うことがなかなか難しい状況にあるということは私も認識しております。現在、国が農業施策を進めている根幹には、たとえばTPP、環太平洋連携協定など際限のない輸入自由化、あるいは昨年末にTPP一一を発効させたのに続いて二月には日欧EPA経済連携協定が発効し、アメリカとはTPP以上の自由化要求が必至の貿易交渉を始めようとしている。そうなってくると、農業にこれまで以上に深刻な打撃をもたらすことが予想されるわけです。 こうした中で国がやろうとしているのは、競争力強化を目的とした大規模化、あるいは企業参入を最優先した農協や農地制度あるいは種子法など、戦後の農業や家族経営が守ってきた諸制度を壊すという施策を進めているわけです。本市の農業もそうですが、日本の農業経営も九八%は大小多様な家族経営であり、国民の食糧供給の大半を担って、中山間地を含めて住民の暮らしや国土や環境を守ってきたわけです。それが今、急速な減少と高齢化が進んで深刻な危機にあります。農村の崩壊を決定的にし、食糧自給率をとめどなく低下させる施策に対して、市町村の独自の施策をやっぱり進めていく必要があります。 そのためにお尋ねしたいのは、一つは新規就農者支援のための県農業大学校への就学支援を復活していただきたいということです。それから、就農希望者の研修教育の確保あるいは農地や住宅の確保、資金・技術の提供、販路の確保や税負担の軽減、移住・定住者に対する営農と暮らしの両面からの支援などが必要となっています。 また、国が今年から制度として始めた収入保険制度の条件と、天理市における対象者数やその運用について明らかにしていただきたいと思います。これは、青色申告農業者しか認められておりませんが、収支内訳書をつくっているわけですから白色申告についても適用することが必要だというふうに思うんですが、これについての見解をお尋ねいたします。 それから、耕作放棄地対策としての市民農園や体験農園、学校や福祉農園、農業ボランティアなどの多様な担い手を確保することについても、どのようなお考えかお尋ねをいたします。 それから最後に、国や県に対する財政支援の強化を要望していただきたいというふうに思います。以上の点について、改めてお尋ねいたします。
○議長(
大橋基之議長)
くらし文化部長。
◎
くらし文化部長(城内薫) 荻原議員の御質問にお答えさせていただきたいと思います。 保険料の上げ幅、上げていく年数をもう少し段階的にという形で申されているんですが、本市の基本的な考え方といたしましては、県の方針に沿った形で引き上げていくという形で考えております。それは、県の方の保険料方針の中にも、段階的な上げ方につきまして、保険料方針策定要綱の中で定められておりまして、天理市の場合は平成三十二年度までに段階的に引き上げていくということになっておりますので、それに沿って上げていきたいと思います。 それから、市民の負担能力の問題について御質問ですが、限界に達しているというふうなことをどういうふうに捉えるのかということだと思いますが、確かに医療費全体が、やっぱり医療の高度化等にも伴いまして上がっているのも事実だと思います。そういった中で、一方では受益と負担の関係もあります。それと、保険料の両立というのは都度見直しをさせていただく中で、特定の方だけに負担がかからないような形で見直しもこれまで行ってきたところでございます。保険料の負担というのが少ないのはいいと思いますが、やはり制度を維持していくためには一定の保険料の引き上げも必要だというふうに考えております。 それから、滞納世帯、滞納割合が多いということで御質問をいただいております。滞納されている方には個々の事情があると思います。そういった中で、こちらといたしましては、滞納されている方には電話、通知等によりまして納付相談を促しながら個々に対応させていただいているところでございます。以上でございます。
○議長(
大橋基之議長) 市長。
◎市長(並河健) 保育料の無償化が実施された後のさらなる負担の軽減ということでありますけれども、こちらについては各御家庭が御負担されることになる各種の費用の状況や、またそのときの本市の財政状況も総合的に考慮しながら検討をしていきたいというふうに考えております。 そして、農業に対する点でありますが、新規就農者対策としては、国の農業次世代人材投資事業を活用し、農業者となることを志向する四十五歳未満、これが来年度から五十歳未満に引き上げられるわけですけれども、こちらに対する支援を行っていると。農業大学校等の農業経営者育成教育機関、先進農家・農業法人で就農に向けて必要な技術などを習得されるための研修を受ける場合には、県を通じて年間百五十万円を最長二年受けられる準備型の制度がございます。さらに、独立して自営する認定新規就農者に対しては、市を通じて年間百五十万円を最長五年間受けられる経営開始型の制度というものがございます。これらの制度というのが非常に、過去に比べて充実もしておりまして、これらを利用して本年は八名の新規就農者が誕生しているところでございます。 また、家庭菜園でもいいからやってみたいというような移住希望者に対して、空き家バンクを活用しながら農地付空き家を提供できるように、農地の権利取得における下限面積要件を特別に設定する制度について、現在農業委員会でも検討いただいているところでありまして、これにより、放棄地も含めて移住者が農地を活用できるような体制を整えていけたらと思っております。 また、農産品の販路拡大では、モスバーガー、餃子の王将等で天理産野菜を明記したフェアの開催をしておるほか、コフフン内のパークサイドキッチンでも市内産品のPRを強化しておりますが、市内の若手農家4Hクラブも新米フェアやイチゴの食べ比べなどさまざまな企画を開催していただいておりまして、そして以前に市が雑誌企画でマッチングした農家については、継続的に都内の有名レストランにイチゴを提供される事例もございます。そのほか、沖縄県内のJAファーマーズマーケットにおいても、天理産のイチゴや柿を販売しておりまして、今後とも販路拡大についても精いっぱい取り組んでいきたいと考えております。 一方で、収入保険制度についてでございますが、こちら、平成三十一年一月からスタートしたばかりでございまして、青色申告の方も三月十五日までに提出するということでございますので、まだ実数等については私どもも集約できる時期にはございません。ただ、それを青色以外にも広げるべきだというところについては、こちらは市の制度とは異なるものでございますから、この点を御理解いただけたらなというふうに思います。 そして、市民農園、体験農園等でございますけれども、現在、長柄町、柳本町などで運営をされております。また、市内の各小学校・幼稚園では、田植え、稲刈り、芋掘りなどの農業体験を地元農家の皆さんや4Hクラブの皆さんとも連携をしながら実施しております。そのほか、南檜垣の営農組合や山田町などの地域でも外部から人を募集して農業体験が行われ、農業を通じた都市部との交流も図られているところでございます。 このように、市内では農に関する
取り組みが活発化している面もございますので、引き続き市内農業関係者や団体と連携を図りながら、我々も精いっぱい取り組んでいきたいと考えております。
○議長(
大橋基之議長) 荻原議員。
◆十四番(
荻原文明議員) 最後に、国保制度について改めてお尋ねしたいのですが、一つは保険料方針の実施なんですが、たとえば奈良市の場合は一・四%ずつ七年間に分けて引き上げていくという方針をとっていますし、香芝市についても七年間に分けておられるし、葛城市についても七年間で割ってるし、山添村も七年間に割って引き上げる保険料方針を示しているわけなんですね。ですから、やろうと思ったらできるはずなんですよね。奈良市の場合、一年で一・四%ですから。しかも、その三・五%というのはあくまで県が示した国保運営方針だというふうに思いますから、これはそれに必ず準拠しなければならないという義務規定ではないわけで、実際、奈良市の場合は一・四%ずつ上げているわけですから、それは可能だというふうに思います。この点について改めて、行政の姿勢次第でこれを毎年、たとえば六年間ですと半分で一・四%ずつということになりますから、緩和することはできるわけですから、改めて御答弁をお願いいたします。 それから、子どもの均等割の減免については、たとえばこれは既に市町村単独で実施している地方自治体もあるわけなんですよね。ですから、そうすると保険料の引き下げについても法定外繰り入れ等を行っていけば実現できるし、実際にそういうふうにしている地方自治体もあるわけですから、特にその点について、公的には可能な制度でありますから、改めてその点について御検討いただき、実現していただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○議長(
大橋基之議長)
くらし文化部長。
◎
くらし文化部長(城内薫) 県単位化に伴います保険料の料率についてなんですけども、本市といたしましては、先ほども申し上げましたように、県の方向性に沿って一度に保険料率を引き上げるのではなく、段階的に無理のない範囲で毎年見直しをしているというところをお伝えさせていただきたいと思います。 もう一点、子どもの均等割について、単独でやってる市があるということも承知はしております。しかしながら、その均等割の分を、国からのそういった補填があればいいですが、それがない場合は、不足する分をどこからかは持ってこないといけないということになりますと、国保以外の方の負担ということにもつながりますので、それにつきましては、減免していくということに関しては、今のところは検討はしておりません。
○議長(
大橋基之議長) 次に、十三番、
今西康世議員。 〔十三番
今西康世議員 登壇〕
◆十三番(
今西康世議員) 議長のお許しをいただきましたので、ただいまから一括質問方式により
一般質問をさせていただきます。 天理市内には原始、古代から近現代に至るまでの数多くの文化財が所在しています。この二月九日から三月三日の間も、冬の文化財展と題して平成二十九年度に市の
教育委員会が実施された発掘調査や古墳出土金属製品の保存処理、古墳の航空レーザー測量などさまざまな調査、研究の成果を発表され、楽しく拝見させていただきました。古墳と一口に言っても、その実態や地域の相違によって実に多様ですし、さらに時代区分としての古墳時代と歴史的存在としての古墳の築造期間とが必ず一致しなかったりと、なかなか難しい問題も多いようですが、古墳めぐりの旅などで多くの人たちが関心や興味を持ち出したのも事実ではないかと思います。 そんなことから、次のことについて、天理市としての考えや今後の
取り組みについてお伺いいたします。まず第一、大和古墳群の今後の活用について。二番、ヒエ塚古墳の調査と今後の史跡指定に向けて。三番、どんな展望で事業を進めていかれるのかについて質問いたします。 大和古墳群は天理市南部の萱生町から中山町に所在する古墳群で、一部は国の史跡に指定されています。大和古墳集団とも表記されています。最大の古墳は西殿塚古墳になり、奈良盆地の東南の山麓に沿って南から纒向古墳群、柳本古墳群、大和古墳群の三つの古墳群が初瀬川右岸をおよそ南北に縦に並んで存在しています。 この古墳群を大和古墳群と呼ぶのは、古墳群の西のあたりに大和神社が鎮座することによるものであると聞いています。群中には前方後円墳十二基、前方後方墳五基、円墳七基の存在が知られています。 天理市から桜井市にかけて奈良盆地東南部の山麓には、古墳時代前期を中心とする多数の大型古墳が所在し、二百メートル級の大型前方後円墳を主体に複数の古墳群が展開しています。その様相は、先ほど申しました西殿塚古墳を盟主とする大和古墳群、行燈山古墳、これは崇神天皇陵のことですが、それと渋谷向山古墳、これは景行天皇陵のことですが、それを盟主とする柳本古墳群、箸墓古墳を盟主とする纒向古墳群を形成し、桜井市南部の外見山周辺に所在する桜井茶臼山古墳、メスリ山古墳を含めると、この地域には古墳時代前期を通じて六基の大型前方後円墳が展開したことになります。そして、ここは前期国家形成にかかわった有力者の墓と考えられています。 初期の大型前方後円墳の築造は箸墓古墳から始まり、続いて西殿塚古墳、桜井茶臼山古墳、メスリ山古墳、行燈山古墳へと展開し、渋谷向山古墳をもって奈良盆地東南部における大型前方後円墳の造営は終焉を迎えることになります。この間、古墳時代を象徴する前方後円墳や前方後方墳が出現し、墳丘の大型化、竪穴式石室の発達、石棺の採用、埴輪生産と普及、鏡や武器、模造品など多くの副葬品が出され、我が国の古代国家形成を考古学的に解明することができる貴重な文化遺産になりました。 このようなことから、大和古墳群、柳本古墳群については今後どのような活用を考えられていますか。お尋ねいたします。
○議長(
大橋基之議長) 教育長。 〔教育長 森継 隆 登壇〕
◎教育長(森継隆) 今西議員の御質問にお答えいたします。 御指摘のように、天理市の南部に所在する大和・柳本古墳群は三、四世紀の古墳時代前期に形成された古墳群で、二百メートル以上級の大型古墳を中心に多数の古墳が分布しています。古墳時代の始まりと初期ヤマト王権の成立過程を知る上で欠くことのできない重要な古墳群です。主要な古墳に限定しても、大和古墳群で二十四基の古墳が、柳本古墳群で十六基の古墳が存在しており、これまでの発掘調査により埴輪の起源に迫る資料や銅鏡などの多様な副葬品が出土しております。 大和・柳本古墳群は山の辺の道沿いの豊かな自然景観と相まって地域の魅力の一つと言えるものであり、我が国固有の文化の表象として、郷土のシンボルとして、これからも守り伝えていかなければならないものです。このため、天理市では古墳群の保存をはじめ、幅広く情報発信と活用を図っていく必要があると考えております。 天理市では、平成二十八年三月に「大和・柳本古墳群保存整備基本構想」を策定しており、今後も保存の緊急性の高い古墳について調査を実施し、土地所有者等の御理解を得ながら、条件が整った古墳から順次史跡指定を検討していきたいと考えています。 発掘調査等により新たな成果が得られた際には、積極的にその成果を発信するとともに、現地説明会や展示会を通じて多く人々に実際に触れていただける機会をつくってまいります。
○議長(
大橋基之議長) 今西議員。
◆十三番(
今西康世議員) ただいま御答弁いただいた中に、外部に向けての情報発信や史跡指定についても前向きに頑張っていくというお言葉をいただいて、非常にありがたいなと思いました。 この二月二十三日に、柳本公民館で千田稔先生の講演があり、市長の御挨拶の後、「邪馬台国と柳本の黒塚古墳-歴史と共生する-」と題した特別講演会がありました。そのときは百四十人を超える人たちで公民館はあふれ返りました。JR万葉まほろば線
柳本駅舎、そして観光・地域交流拠点施設整備事業竣工に向けての記念講演で、柳本校区運営協議会が主催されたものですが、大盛況でした。千田先生の提案の最後には、卑弥呼のひみこんパブとか卑弥呼カフェとかビアホール、また邪馬台国音頭、卑弥呼賛歌など、また、卑弥呼のファッションショーや朗読会の話など、未来の柳本や天理市にとって大変夢のある、楽しいお話を聞かせていただきました。そのときに、大和古墳群や柳本古墳群、そして黒塚古墳についても話をされました。 黒塚古墳は、一九九七年の埋葬施設の調査で三十三面もの三角縁神獣鏡が出土して、一躍有名になりました。三角縁神獣鏡は石室の北半分、被葬者の上半身を囲むように石室の壁に立てかけられていました。木棺と石室の壁の間にはほかにも刀、剣、やり、鉄鏃などの武器や甲冑、工具類などが副葬されていました。また、棺の中には画文帯神獣鏡が一面だけ、被葬者の頭あたりに置かれ、刀や剣が添えられていました。当時現場を見せてもらった私は、水銀朱の鮮やかな赤色と共に、今でもありありとこれらの状況が目に残っています。 また、同じ日、ヒエ塚古墳の現地説明会がありました。天理市萱生町の前方後円墳、ヒエ塚古墳の発掘調査をしている天理市
教育委員会は、二十日、古墳築造前の谷の地形を確認したと新聞発表され、この日の現地説明会に至りました。前方部北側を調査したところ、墳丘や周濠は確認されませんでしたが、市
教育委員会は、盛り土は削られたのではないかと見ておられると示されていました。 ヒエ塚古墳について、看板にはこう書かれてあります。「ヒエ塚古墳は、墳丘の全長が百三十メートルの規模を誇る前方後円墳である。埋葬施設は未調査だが、『山辺郡誌』によると明治年間に勾玉、管玉、金環、土器などが出土したという。墳丘北側の周濠の外堤部が道路拡張に伴い調査され、外堤を分断する溝の中から大量の古式土師器が出土した。古墳の墳形・規模は同じ大和古墳群にある中山大塚古墳に類似し、古墳時代前期前半に築造されたものと推定される。」というふうに看板には書かれてあります。 天理市の
教育委員会は二月二十四日、大和古墳群にある前方後円墳、ヒエ塚古墳の南側で、周濠と見られる落ち込み遺構を初めて確認したと発表されました。ただ、想定よりかなり小規模で、担当者は「古墳の規模に比べて非常に狭い。想定とは違うものが出た」と話されていました。古墳の築造時期については、周濠上の遺構から埴輪が出土しなかったことから、埴輪が普及する以前の古墳時代前半、三世紀後半から四世紀初めである可能性が強まり、過去の調査結果を補強する形となるのではないかと思われています。これらの調査を踏まえ、今後どのように進めていかれるのかお伺いいたします。 また、現在のヒエ塚古墳は、周りは畑ばかりですし、ビニールハウスや作業小屋のようなものがあったりと、とても歴史ある古墳として大事に扱われていた様子はありません。周りに新しい道路がつくられ、墳丘上は柿が植えられています。国の史跡として指定されたことをきっかけに、わかりやすく整備していく必要があると思いますが、それについても御答弁願います。
○議長(
大橋基之議長) 教育長。
◎教育長(森継隆) 御質問にお答えします。 ヒエ塚古墳は、天理市萱生町に所在する全長約百三十メートルの前方後円墳で、古墳時代の中でも最も初期に位置付けられる貴重な古墳です。県道天理環状線沿いにあり、保存の緊急性が高いと判断されることから、天理市
教育委員会では平成二十五年度より古墳の本質的価値を確認するための発掘調査を実施し、ヒエ塚古墳の大きさや周濠の範囲、古墳の築造時期の解明を目指しています。平成三十年度にも発掘調査を実施し、去る二月二十三日には現地説明会を開催したところでございます。 これまでの発掘調査により後円部の規模がほぼ判明すると共に、後円部の周濠の様相を確認することができておりますが、前方部の形状について未解明の部分が残されているため、なお調査を継続していく必要があります。発掘調査成果が出そろいましたら、土地所有者等の御理解を得ながら、条件が整った段階で順次史跡指定を目指していきたいと考えています。また、新たな説明板の設置等も含め、今まで同様に地域の生活に溶け込んだ古墳を基本に整備を検討していきたいと考えております。
○議長(
大橋基之議長) 今西議員。
◆十三番(
今西康世議員) ありがとうございます。調査継続、それから史跡指定に向けてというお言葉をいただいたので、よかったかなと思っています。 天理だけではありませんが、現存する古墳でも半壊状態で、およそ古墳の形をしていないものもありますし、また、梅や桜の木が植えられているところもあります。天理のようにミカンの木とか柿の木が植えられているところもあります。古墳群の環境を含めた保全の方法については非常に難しい面もあると思いますが、天理市としては特に、一番、質問ですが、古墳群の環境を含めた保全の方法についてはどのようにお考えでしょうか。また、二番、現地での解説の充実についてはどのように考えられ、どのような方法をとられるのでしょうか。三番、既存の出土品を含めて、活用についてはいかがでしょうか。 歴史というのは長い道のりをかけて今日に至っているもので、何物にもかえがたい、大変価値のあるものだと思っています。その価値のあるものを保全すること、そしてその内容等をきちっと解説し、未来に向けて活用していくことは大変重要なことだと思います。そして、その価値ある歴史と共生できるところに住んでいる私たちもすごいことだし、これを多くの人たちに知ってもらうことも非常に重要なことだと思います。天理市に住む子どもたちも、自分が住んでいるところは歴史的価値が高い、非常に重要な場所であることが理解できれば、将来に向けて誇りを持って天理市のすばらしさを発信していってくれるのではないでしょうか。そんなことから、今後どのような活用を考えておられますか。お尋ねいたします。
○議長(
大橋基之議長) 教育長。
◎教育長(森継隆) 今西議員の質問にお答えいたします。 まず、古墳群の環境を含めた保全の方法についてでございますが、大和・柳本古墳群は、一部の陵墓等を除いてほとんどの古墳が果樹園や畑地など地域の生活に溶け込んだ姿で現在まで残されており、山の辺の道沿いの風光明媚な景観に寄与しています。今後も暮らしに溶け込んだ景観が維持されるよう、関係法令による規制と調和を図りながら古墳群の保全に努めてまいります。 次に、現地での解説の充実については、大和・柳本古墳群では、史跡黒塚古墳のガイダンス施設として黒塚古墳展示館を整備し、多くのお客様にお越しいただいているところでございます。黒塚古墳展示館では、黒塚古墳の発掘調査で出土した銅鏡群の複製品の展示や、原寸大の竪穴式石室模型の展示を通じて、黒塚古墳の調査成果をわかりやすく展示するとともに、大和・柳本古墳群内に所在するほかの古墳についても簡単な解説を掲示しているところです。また、山の辺の道に近接する古墳を中心に、古墳近傍に古墳説明板を設置して、古墳を訪れた人々が概要を知ることができるよう努めるとともに、発掘調査を実施した際には、積極的に現地説明会を開催して情報発信を図ってまいります。 黒塚古墳展示館の展示解説や古墳説明板の更新を図ることにより現地での解説の充実を推進するとともに、今年四月にリニューアルするJR柳本駅の活用も視野に入れながら、地域の歴史文化資源のPRを積極的に行ってまいります。また、発掘調査現地説明会開催時の来場者への案内を改善するとともに、参加者に配慮した説明会となるよう一層の充実を図ってまいります。 三つ目の既存の出土品を含めての活用についてお答えいたします。大和・柳本古墳群では、これまでの発掘調査により多数の出土遺物が蓄積されており、貴重な文化財として保管しております。これまでにも『天理の古墳100』などの解説冊子の刊行を通じて調査成果の発信を行うとともに、市文化センターを利用した年二回の文化財展や会期中に行う文化財講演会で広く展示公開を行ってきたところでございます。 なお、平成三十三年には、「なら
歴史芸術文化村」の開村が予定されているところです。奈良県立橿原考古学研究所とも連携しつつ、展示活動・遺物整理作業の公開や、出土遺物に親しむ機会の提供などを予定しており、大人にも子どもにも貴重な文化財である出土遺物を身近に感じていただけるよう、出土遺物の活用をより一層充実してまいります。
○議長(
大橋基之議長) 以上をもって
一般質問を終わります。 以上で本日の日程は終了いたしました。 なお、明日より十七日まで休会し、十八日午前十時より再開いたします。 本日の会議はこれをもって散会いたします。 午後三時十一分 散会...